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キャリアアップ助成金 完全ガイド【2026年度】正社員化で最大80万円

アルバイト・パート・契約社員を正社員に転換した事業主に最大80万円支給されるキャリアアップ助成金。助成額の根拠・申請要件・7ステップの手続き・失敗パターン7つを完全解説します。

2026年5月20日22分で読めます
キャリアアップ助成金 完全ガイド【2026年度】正社員化で最大80万円

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金は、厚生労働省が雇用保険財源から支給する助成金です。補助金と違い、審査による採択競争がありません。要件を満たせば原則支給されます。

正社員化コースの「最大80万円」がよく知られていますが、対象者の区分・企業規模・転換タイプによって金額は変わります。詳細な仕組みを整理します。


助成額の全体像

「最大80万円」は中小企業で、かつ「重点支援対象者」を有期雇用から正社員に転換した場合に限ります。

正社員化コースの助成額(中小企業)

転換タイプ対象者第1期(6か月後)第2期(12か月後)合計
有期→正社員重点支援対象者40万円40万円80万円
有期→正社員通常40万円40万円
無期→正社員重点支援対象者20万円20万円40万円
無期→正社員通常20万円20万円

※大企業は中小企業の約半額。

第1期は転換後6か月の賃金支払い後に受け取れます。重点支援対象者の場合のみさらに6か月後に第2期があります。

加算措置(組み合わせ可能)

加算内容加算額
情報公表加算(新設)+20万円
制度導入加算+20万円
多様な正社員制度導入加算+40万円

「重点支援対象者」とは

最大80万円を受け取れる「重点支援対象者」の定義を整理します。以下のいずれかに該当する有期雇用労働者です。

  1. 雇用期間3年以上の有期雇用労働者
  2. 雇用期間3年未満で、過去5年間の正規雇用期間が1年以下かつ過去1年間に正規雇用の経験がない者
  3. 派遣労働者
  4. 母子家庭の母・父子家庭の父など
  5. 人材開発支援助成金の特定の訓練修了者

飲食業・小売業・介護業など、長期アルバイト・長期パートが多い業種で該当しやすい区分です。


申請の要件(ここが重要)

キャリアアップ助成金には複数の要件があります。一つでも満たさないと申請できません。

要件内容
転換前の賃金規定正社員と非正規雇用で異なる賃金規定を設けていること(転換前6か月間)
転換時の賃金引上げ転換時に賃金を3%以上引き上げること
正社員制度の規定賞与または退職金制度と昇給制度を就業規則等に定めること
計画書の事前提出転換前日までに管轄の労働局にキャリアアップ計画書を提出済みであること
雇用保険の適用事業主が雇用保険に加入していること
申請上限1年度1事業所あたり20名まで

申請の流れ(7ステップ)

ステップ1:就業規則の整備

正社員と非正規雇用で異なる賃金規定を設けます。この規定が転換6か月前から適用されている必要があります。就業規則は従業員10人以上の事業所では労働基準監督署への届出が必要です。

ステップ2:キャリアアップ計画書の提出

転換前日までに、事業所の所在地を管轄する労働局(またはハローワーク)にキャリアアップ計画書を提出します。

「転換したあとで申請しよう」と思っていると間に合いません。これが最も多い失敗パターンです。

ステップ3:有期契約での雇用継続

対象者を有期雇用で6か月以上雇用します。この間、賃金の支払いが適正に行われていることが必要です。

ステップ4:正社員への転換

転換時に賃金を3%以上引き上げます。転換後の労働契約書・雇用条件通知書を交付します。

ステップ5:転換後6か月の賃金支払い

転換後6か月間、正社員として賃金を支払います。この期間に賃金支払いの実績が確認されます。

ステップ6:第1期の支給申請

転換後6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内に、管轄のハローワークに支給申請書を提出します。

必要書類

  • 支給申請書
  • 転換後の労働条件通知書(写し)
  • 賃金台帳(転換前6か月分・転換後6か月分)
  • 出勤簿(同期間)
  • 就業規則(賃金規定含む)

ステップ7:第2期の支給申請(重点支援対象者のみ)

第1期から6か月後(転換12か月後)にさらに40万円を申請できます。手続きは第1期と同様です。


失敗パターン7つ

申請できなかった・不支給になった事業者に共通するパターンです。

失敗1:キャリアアップ計画書の提出が後回し

最多の失敗です。転換後に提出しても対象外になります。転換を考えた時点で即座に提出してください。

失敗2:賃金引上げが3%未満

転換時の賃金引上げが3%に達していないと支給要件を満たしません。時給・月給どちらで計算するかを確認してください。

失敗3:正社員と非正規の賃金規定を区別していない

同一の賃金規定を適用していた場合、「転換前6か月から異なる規定を適用していた」という要件を満たせません。就業規則の整備は前もって行う必要があります。

失敗4:申請期限の2か月を過ぎた

第1期の支給申請は「転換後6か月の賃金を支払った翌日から2か月以内」です。この期限を過ぎると申請できません。

失敗5:就業規則に賞与・退職金・昇給制度の記載がない

正社員に転換した後、賞与または退職金制度、および昇給制度を就業規則に定めていない場合は不支給になります。

失敗6:賃金台帳・出勤簿の管理が不十分

支給申請時に6か月分の賃金台帳・出勤簿の提出が必要です。電子記録でも可ですが、転換前後の記録が揃っていることを確認してください。

失敗7:雇用形態の誤認

有期雇用(契約社員・アルバイト)から正社員への転換が対象です。最初から無期雇用として雇用していた場合は「有期→正社員」の助成対象になりません。


2025〜2026年度の主な改正点

届出手続きの簡素化

キャリアアップ計画書の様式が見直され、手続きが簡略化されました。ハローワークへの事前相談・申請がしやすくなっています。

情報公表加算の新設

自社の取り組み内容を公表した場合に+20万円の加算が受けられる新しい措置が加わりました。


よくある質問

Q. 飲食業・小売業・介護業は対象になりますか?

なります。業種による制限はありません。雇用保険に加入している事業主であれば申請できます。

Q. アルバイトを正社員にすれば全員80万円もらえますか?

要件を満たした場合のみです。重点支援対象者の定義・賃金3%引上げ・計画書の事前提出・就業規則の整備がすべて必要です。1つでも欠けると減額または不支給になります。

Q. 個人事業主(1人事業主)は申請できますか?

転換できる有期雇用労働者(従業員)がいることが前提です。従業員がいない場合は申請できません。

Q. 申請書類を自分で作ることはできますか?

できます。ハローワークで書類の確認・相談ができます。社会保険労務士に依頼すると確実ですが費用がかかります。

Q. 支給まで何か月かかりますか?

第1期の申請から支給まで、2〜3か月程度が目安です。


まとめ

キャリアアップ助成金は、要件さえ満たせば確実に受け取れる制度です。最も重要なのは「キャリアアップ計画書を転換前日までに提出すること」。これだけ覚えておけば、最も多い失敗を防げます。


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